「夏が終わりに近づいているのに疲れが取れない」「朝から身体がだるい」「食欲が戻らない」「最近よく眠れていない気がする」。 8月末から9月にかけて、このような変化を感じる方もいるのではないでしょうか。
夏の終わりに疲れを感じていても、まずは夏の間に睡眠・食事・水分摂取・活動量などがどう変化したかを整理してみることが大切です。 原因になりそうなことが見えてくると、これから何を調整すればよいのかも考えやすくなります。
9月は、暑さに合わせて変化していた生活を少しずつ戻していく時期でもあります。 セルフケアに加えて、睡眠の乱れや首肩こり、頭痛、身体の重さなどが続いている場合には、鍼灸も身体の調子を取り戻していくための選択肢の一つになります。
この記事でお伝えしたいこと
- 夏の疲れには、睡眠・食事・水分・暑さ・活動量など複数の要因が関係します
- 原因を整理すると、自分に必要な対策が見つけやすくなります
- 9月は無理をせず、少しずつ普段の生活リズムへ戻していくことが大切です
- 睡眠の悩みなどに対する鍼灸についても臨床研究が行われています
- Soraでは鍼灸と理学療法士の視点を活かし、今困っている症状に合わせて施術を考えます
目次
夏の疲れが9月に出るのはなぜ?まずは原因を整理しましょう
夏の疲れは、一つの病気を指す言葉ではありません。 また、「自律神経が乱れているから」と一つの原因だけで説明できるものでもありません。
夏の間に続いた暑さや睡眠の変化、食事量、水分摂取、冷房環境、活動量など、いくつかの小さな変化が重なって身体の重さや疲労感として現れている可能性があります。
反対に考えると、何が変化していたのかを一つずつ整理することで、9月から取り組めることも見つけやすくなります。
1.暑い夜が続き、睡眠が浅くなっている
疲労を考えるうえで、まず確認したいのが睡眠です。
暑い環境と睡眠について調べた2024年のシステマティックレビューでは、屋外・屋内の気温が高い環境は、全体として睡眠の質や睡眠時間の低下と関連することが報告されています。
「7時間寝ているから大丈夫」と思っていても、暑さで途中で目が覚める、寝つくまで時間がかかるといった状態が続けば、朝に疲れが残ることがあります。
睡眠は「時間」だけでなく「朝の感覚」もチェック
何時間寝たかだけでなく、寝つき、途中覚醒、起床時に身体が回復した感じがあるかも確認してみましょう。 まずは寝室の温度や湿度など、眠りやすい環境をつくることから始められます。
2.夏の間に食事量が少なくなっている
暑い時期は「食欲がないからそうめんだけ」「朝食を抜く」「冷たい飲み物だけで済ませる」といった食生活になりやすい方もいます。
こうした食事が続いていた方は、9月から少しずつ普段の食生活へ戻していくことを意識してみましょう。
一度にたくさん食べる必要はありません。 卵、魚、肉、豆腐などのたんぱく質源や野菜など、食べやすいものから少しずつ組み合わせていくことも一つの方法です。
3.暑い日が続き、水分が不足している
9月になっても徳島では暑さが残る日があります。 「もう秋だから」と油断せず、暑い日は引き続き水分補給を意識しましょう。
屋外で仕事をする方や運動する方だけでなく、室内でも高温多湿の環境では汗をかきます。 特に大量に汗をかく状況では、水分だけでなく塩分などの補給が必要になる場合もあります。
4.冷房環境と身体の使い方が影響している
暑い日に無理に冷房を我慢する必要はありません。 熱中症を防ぐためにも、冷房は適切に使用することが大切です。
一方で、冷房の効いた室内で長時間デスクワークをしていると、身体を動かす機会が少なくなり、首や肩のこわばりを感じる方もいます。
「冷房が悪い」と考えるのではなく、風の当たり方、姿勢、座っている時間、身体を動かす機会などを見直してみましょう。
5.夏の間に活動量が落ちている
猛暑の時期に散歩や運動、外出を控えるのは、熱中症を防ぐうえで必要なこともあります。 その結果、夏前より身体を動かす時間が少なくなっている方もいるでしょう。
9月になって少し動きやすくなってきたら、いきなり以前と同じ運動量へ戻すのではなく、短時間の散歩などから少しずつ身体を動かす習慣を取り戻していくのがおすすめです。
理学療法士の視点でも、「疲れているか」だけでなく、夏前と比べて歩く量や身体を動かす時間がどう変化したかは大切な確認ポイントになります。
夏の終わりにこんな変化はありませんか?
夏の疲れは、人によって現れ方が違います。 次のような変化がないか、一度チェックしてみましょう。
- 朝起きたときに身体が重い
- 以前より疲れが抜けにくい
- 寝つきが悪い、途中で目が覚める
- 食欲が落ちている
- 首肩こりが強くなった
- 頭痛を感じることが増えた
- 身体を動かす機会が減った
- 仕事中に集中しにくい
当てはまるものがあったとしても、すべてを一度に改善しようとする必要はありません。
「まず睡眠から」「身体を少し動かしてみよう」「首肩のつらさを何とかしたい」というように、今一番困っていることから整理していくことが大切です。
「自分の場合は何から整えればいい?」と思った方へ
疲れ、睡眠、首肩こり、頭痛などが重なっていると、自分ではどこから対策すればよいのか分かりにくいことがあります。
Soraでは、今一番困っていることと、その背景にありそうな要因を一緒に整理しながら、鍼灸をどのように取り入れるか考えていきます。
夏の疲れから調子を戻すために、鍼灸でできること
夏の終わりの疲れに対する鍼灸では、「夏バテ」という曖昧な状態を一括りにするのではなく、今実際に困っている症状を整理することが大切です。
例えば、睡眠の乱れ、首肩こり、頭痛、身体の緊張などがあれば、それぞれの状態を確認しながら施術を組み立てていきます。
睡眠の悩みに対する鍼灸も研究されています
不眠症に対する鍼灸については、複数のランダム化比較試験をまとめたシステマティックレビューやメタ解析が報告されています。
2026年に発表されたシステマティックレビュー・メタ解析でも、鍼灸を含む介入で主観的な睡眠評価などに改善がみられたと報告されています。
研究によって鍼の方法や治療頻度、比較対象が異なるため、すべての方に同じ結果が得られるとは言えませんが、睡眠に困っている方に対する鍼灸は、現在も研究が続けられている分野です。
鍼灸を上手に取り入れるために
鍼灸の研究結果だけを見るのではなく、「自分は何に困っているのか」「鍼灸では何を目的に施術するのか」を明確にすることが大切です。 Soraでは研究で分かっていることも参考にしながら、実際の症状や身体の状態を確認して施術を考えます。
首肩こり・頭痛・身体の緊張にも目を向けます
夏の疲れを感じている方の中には、「最近、首や肩もつらい」「頭痛が増えた」「身体に力が入っている感じがする」という方もいます。
そのような場合には、疲労感だけを見るのではなく、首肩周囲の筋緊張、関節の動き、姿勢、仕事中の身体の使い方なども確認します。
鍼灸では、現在つらさを感じている部位や関連する筋肉などを確認しながら刺激する場所を決めていきます。
はり灸Soraでは何を確認して施術するのか
徳島のはり灸Soraでは、「疲れているからこのツボ」という決まった施術を行うのではなく、現在の身体の状態から、今何を優先した方がよいのかを考えます。
鍼灸師として症状に合わせた施術を行うだけでなく、理学療法士として身体の動きや活動量も確認できることがSoraの特徴です。
夏の疲れに対するSoraの施術方針
① 今一番困っていることを確認します
「朝から身体が重い」「夜よく眠れない」「首肩こりがつらい」「頭痛が気になる」など、まず現在一番困っている症状を確認します。
症状が始まった時期や出やすい時間帯、休んだときに変化するのかなども確認し、施術の優先順位を考えます。
② 睡眠・食事・水分・活動量を整理します
寝つき、途中覚醒、起床時の回復感、食事量、水分摂取、夏前からの活動量の変化などを必要に応じて確認します。
「疲れている」という症状だけを見るのではなく、今の身体に負担をかけていそうなものと、これから改善できそうなものを一緒に整理します。
③ 首肩こり・頭痛などがあれば身体の動きも見ます
首肩こりや頭痛、腰痛などがある場合は、筋肉の緊張だけでなく、関節可動域、姿勢、仕事中の身体の使い方なども必要に応じて確認します。
理学療法士として身体の動きを評価することで、鍼灸をする場所だけでなく、日常生活でどこに負担がかかっているのかも考えていきます。
④ 今の状態に合わせて鍼灸を行います
毎回同じツボだけを使うのではなく、その日の症状や身体の反応を確認しながら、施術部位や刺激量を調整します。
首肩の緊張、頭痛、睡眠の悩みなど、今困っている症状に合わせて「何を目的に鍼灸をするのか」を明確にして施術します。
⑤ 少しずつ普段の生活へ戻していきます
夏の間に活動量が落ちていた方は、鍼灸を受けるだけではなく、身体の状態に合わせて少しずつ身体を動かすことも大切です。
必要に応じて、散歩や簡単な運動、姿勢、睡眠環境など、日常生活の中で取り入れやすい方法もお伝えします。
Soraが目指しているのは「調子を取り戻していくこと」
夏の疲れを一度の施術ですべて解決するという考え方ではありません。 鍼灸で現在のつらい症状にアプローチしながら、理学療法士の視点も活かし、「朝の身体が少し楽」「身体を動かしやすい」「普段の生活を送りやすい」など、その方にとって具体的な変化を目標に施術を考えます。
はり灸Soraの一般鍼灸については、 一般治療・鍼灸治療のページ でもご案内しています。
9月から少しずつ調子を戻すためのセルフケア
夏の疲れを感じていると、「運動しないと」「食事を改善しないと」「早く寝ないと」と全部頑張りたくなるかもしれません。
しかし、一度に生活を変える必要はありません。 今の身体でできそうなことを一つ選ぶところから始めてみましょう。
まずは眠りやすい環境をつくる
暦が秋になっても暑い日はあります。 「もう9月だから」と冷房を我慢せず、室温や湿度を確認しながら冷房や扇風機を適切に使いましょう。
朝起きたときに身体が少しでも楽になるように、まずは眠りやすい環境づくりから始めてみてください。
食事は「普段の食事へ少しずつ戻す」
食欲が落ちている場合、一度にたくさん食べる必要はありません。
麺類だけになっていた方は卵や豆腐を加えるなど、できるところから食事内容を戻していきましょう。 食欲が戻ってくれば、魚、肉、野菜なども無理のない範囲で組み合わせます。
9月も水分補給を続ける
残暑が続く日は、引き続き水分補給を意識しましょう。
特に屋外作業や運動などで大量に汗をかく場合は、水分だけでなく塩分などの補給が必要になることもあります。
身体を動かす時間を少しずつ増やす
夏の間に活動量が減っていた方は、涼しい時間帯に短時間歩くことから始めても構いません。
「30分運動しないと意味がない」と考える必要はありません。 まずは無理なく続けられる量から身体を動かす習慣を戻していきましょう。
9月は「頑張る」より「戻していく」
睡眠、食事、水分、身体活動を一度に完璧にする必要はありません。 夏の間に変化した生活を、一つずつ自分のペースで普段の状態へ戻していくことを意識してみてください。
疲れが強いときは医療機関への相談も大切です
ここまで紹介したセルフケアや鍼灸は、すべての疲労に適しているわけではありません。
疲労感や食欲低下の背景に、貧血、甲状腺疾患、感染症、睡眠障害などが隠れていることもあります。 身体からのサインを見逃さず、必要なときには医療機関で確認することも大切です。
次のような場合は医療機関への相談を優先してください
- 強いだるさが続く、または悪化している
- 発熱が続いている
- 水分が十分にとれない
- 嘔吐や下痢が続いている
- 急な体重減少がある
- 胸痛や息苦しさがある
- 意識がもうろうとする
- 突然の強い頭痛、麻痺、言葉が出にくいなどの症状がある
医療機関で確認することと、鍼灸を利用することはどちらか一方ではありません。 必要な検査や治療を受けながら、症状や身体の状態に応じて鍼灸を補完的に取り入れるという考え方もできます。
まとめ
夏の終わりに身体が重い、疲れが取れないと感じても、焦ってすべてを変える必要はありません。
まずは睡眠・食事・水分・活動量・首肩こりや頭痛など、夏の間に変化したことを整理するところから始めてみましょう。
9月は、暑さに合わせて変化していた生活を少しずつ普段の状態へ戻していくタイミングです。 眠りやすい環境をつくる、食事を少しずつ戻す、涼しい時間に身体を動かすなど、できることから始めて構いません。
鍼灸では、夏の疲れを一括りにするのではなく、睡眠の乱れ、首肩こり、頭痛、身体の緊張など、現在困っている症状を確認しながら施術を組み立てることができます。
Soraではさらに理学療法士の視点を活かし、身体の動きや活動量も確認します。 鍼灸と日常生活での工夫を組み合わせながら、少しずつ「いつもの調子」を取り戻していくことを目指します。
夏の疲れを9月から少しずつ整えていきませんか?
「寝ても疲れが取れない」「首肩こりや頭痛も気になる」「夏が終わっても身体が重い」など、気になる症状があればご相談ください。
はり灸Soraでは、理学療法士×鍼灸師の視点から、現在の症状だけでなく、睡眠、活動量、身体の動き、生活環境などを確認します。
鍼灸で現在のつらさにアプローチしながら、「朝の身体が少し楽」「身体を動かしやすい」「普段の生活を送りやすい」といった、その方にとって具体的な状態を目標に施術を考えていきます。
参考文献
- Minor K, et al. A systematic review of ambient heat and sleep in a warming climate. Sleep Med Rev. 2024;75:101915.
- Hu Y, Liu Y, Li W, Wang Y. Sleep and endocrine effects of acupuncture for insomnia: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. Front Med (Lausanne). 2026;13:1807826.