2020.05.22 肥満女性の体外受精前の運動が治療成績に及ぼす影響
私がカウンセリングする上で患者様には必ず運動を薦めます。なぜなら、今までに妊娠された高齢の方や肥満の方では有酸素運動をされている方の方が妊娠率が高いように感じて言います。
体外受精や顕微授精を受ける前の運動習慣は、その後の高い着床率や妊娠率、出産率に関連することがイタリアで実施された試験で明らかになりました。イタリアのモデナ・レッジョ・エミリア大学の研究チームは、BMIが30を超える肥満女性の運動習慣が体外受精や顕微授精の治療成績にどのような影響を及ぼすのかを調べました。初めての体外受精や顕微授精に臨む216名の女性を対象に、治療開始時にアンケート形式の調査票(Global Physical Activity Questionnaire)を用いて日常の運動習慣を調べました。その結果から運動レベル別に以下の4つのカテゴリーにわけました。
(a)週単位で運動習慣がない
(b)週の大半は軽い運動を行っている
(c)週に1、2回、心拍の上昇や発汗を伴う運動を20分以上行っている
(d)週に3回以上、心拍の上昇や発汗を伴う運動を20分以上行っている
そして、運動しないグループ(175名)と運動習慣があるグループ(41名)にわけ、体外受精や顕微授精の治療成績との関連を解析しました。その結果、運動習慣のあるグループの着床率や妊娠率、出産率が運動しないグループに比べて統計学的に有意に高く、
運動習慣のあるグループの着床率は22.7%(22/97)
運動しないグループでは6.9%(23/332)で、
妊娠率は39.0%(16/41)、16.0%(28/175)
出産率は24.4%(10/41)、7.4%(13/175)
で、体外受精や顕微授精前の運動習慣は良好な着床率や妊娠率、出産率に関連することがわかりました。
また、治療成績に関連する因子の影響を統計学的な手法で排除した場合、治療前に運動週間のある肥満女性は運動しない肥満女性に比べて妊娠率は3.22倍、出産率は3.71倍でした。
これらの結果から、肥満女性の体外受精や顕微授精前の運動習慣は減量の有無にかかわらず、治療成績の良好な影響を及ぼすかもしれないと結論づけています。
肥満は女性の妊娠する力を低下させると言われています。
肥満女性は妊娠に至るまで長い期間を要すること、不妊症のリスクが高くなること、自然妊娠を目指す場合でも、高度生殖医療を受けて妊娠を目指す場合でも、肥満女性はノーマルな体重の女性に比べて妊娠率や出産率が低く、流産率が高くなることは、多くの研究報告があります。
当然、食生活の改善や運動で減量することが不妊症リスクの低下に繋がると言われていますが、減量の有無にかかわらず、治療前の運動習慣は体外受精や顕微授精の治療成績にどのように関連するのかを調べたのが今回の研究報告です。
因みに肥満女性の定義ですがBMI(体格指数)を30以上としています。
日本肥満学会では、BMIが22の場合を標準体重としており、25以上の場合を肥満、18.5未満である場合を低体重としています。
結果は治療前に運動習慣のあった女性はなかった女性に比べて体外受精や顕微授精の着床率や妊娠率、出産率が良好だったというものでした。
BMI(Body mass index)は、身長の二乗に対する体重の比で体格を表す指数です。算出方法は、
BMI=体重kg/(身長m)2
このBMIが男女とも22の時に高血圧、高脂血症、肝障害、耐糖能障害等の有病率が最も低くなるということがわかっています。
今回は、肥満について書かせていただきましたが、妊活にはもちろん痩せすぎもよくありません。 以下の図を見て頂ければわかりますが、BMIが19以下の方の
方が、妊娠までにかかる期間が長くなっているのがわかります。
妊活を頑張っている方は、なるべく体重管理も気を付けていきましょう!
2020.05.20 YouTube「妊活チャンネルSora」を始めました
今回、YouTube動画を始めました。
主に妊活の内容となっていますが、テーマが自宅でできるセルフケア、生活習慣改善による体質改善ですので、一般の方が観ていただいても参考となることが多いかと思いますので是非ご視聴くださいね!
初回のお話は「ミトコンドリアを活性化させる3つの方法」についてとなります。
ミトコンドリアは人の体重の約10%程度存在するといわれています。何をしているのかというと、私達の身体のエネルギーを作っている場所になります。
ミトコンドリアが減ってきたりすると様々な疾患になりやすくなったり、もちろん妊活にも大きく関係しています。
是非ご覧下さい。
ご参考になれば、チャンネル登録お願いいたします^_^
2020.05.20 鍼治療と免疫力
鍼治療と聞いて皆さんがイメージされることは、マッサージでは届かない深い場所のコリをとってくれる、整形疾患など、いま流行りの美容鍼などに効果のあるイメージでしょうか?
たしかに、実際に鍼を打つことで筋肉の緊張は緩み、刺激を与えた周囲の毛細血管が拡張され新陳代謝が高まります。新陳代謝が良くなることで、溜まっていた疲労物質が行きわたり身体は回復に向かっていきます。肌も引き締まり、張り・つやが良くなります。
しかし鍼は身体の表面に現れている症状を和らげるだけでなく身体の内面、「内臓の働き」や今回書かせていただく「免疫力」を上げる、高める効果もあるのです。
「免疫」とは
体にある免疫細胞の主体をなすのが「白血球」。
白血球の役割はウイルスや細菌の侵入を知らせること、それらの菌に攻撃し殺した菌の掃除を行うこと、ウイルスや菌の抗体を作るなど様々です。白血球の機能が正常に働いているおかげで、私たちの身体は元気でいられるのです。
免疫力が低下すると風邪やヘルペスなどの症状、また様々な感染症や悪性疾患(ガン)を引き起こすことがわかっています。風邪を引きやすい方は免疫力が下がっているかもしれません。
また、現在流行している新型コロナウイルス感染症の感染リスクも高くなります。
「免疫力を上げるには」
・身体全体の代謝を上げる
・自律神経の調子を整える
・腸内細菌を善玉優位にする
この3つが重要です。
では、それぞれをどのようにすればいいのか。
1. 代謝について
代謝を上げるには運動などがおすすめです。身体を動かすことで血行がスムーズになります。運動することで筋肉が刺激され、筋肉量も増えることで基礎代謝が高まっていきます。
2. 自律神経について
自律神経のバランスはストレス発散や規則正しい生活を心掛けること、適度な運動、暴飲暴食をしない、しっかりと睡眠をとるなど簡単なことで改善できます。
自律神経が不調をきたすと、疲労感、体温の異常、下痢や便秘など胃腸の症状、筋肉のコリ、関節の痛み、不眠やめまいなど、たくさんの症状が発生してしまいます。
3. 腸内環境について
腸には約1000種類もの細菌が存在しており、数にして100兆個ほどといわれています。その1000種類の細菌は働きによって善玉菌、悪玉菌、日和見菌と分類されています。
善玉菌は消化吸収の補助やビタミンの合成、感染防御など健康維持や老化防止などに関係があります。
悪玉菌は腸内腐敗細菌毒素や発ガン性物質の産生と関係があり、病気の引き金になることがあります。
日和見菌は健康な時はおとなしくしていても、体が弱っていると腸内で悪い働きをしだします。
この腸内細菌を善玉菌優位に保つことで免疫が高まっていくことが分かっています。
☆鍼治療が免疫力UPにつながる理由☆
鍼を身体に打つことで先程説明した免疫力を高めるのに大事な「血行の促進」・「自律神経の調節」・「腸内環境の改善」を助けることができます。最初に説明した通り、鍼を打つことで筋肉が緩み、血流が良くなります。
また、鍼の刺激は脳血流も改善したり、緊張の高まった交感神経をリラックスする神経である副交感神経に自律神経のスイッチを切り替えてあげる作用もあります。
血行が良く、自律神経のバランスが取れると内臓(胃腸)の調子も良くなります。
こうして鍼治療は「免疫力」にもお役に立てることもあります!
2020.04.16 JRT四国放送ラジオ「寺子屋土曜塾」に生出演させていただきました
先日、四国放送ラジオ 寺子屋土曜塾 4/11(土)11:45頃~
「妊活」をテーマに生出演させていただき、当院の妊活無料カウンセリングについてお話させて頂きました。
以下、ラジオでお話した内容について抜粋して記載させていただきました。
【プロフィール紹介】
近藤さんは、2年前、徳島市応神町に「はり灸・整体・トレーニング」Soraを開院しました。
理学療法士、鍼灸師として、整形外科とリハビリテーション科での経験を生かした治療とトレーニングを行うかたわら、香川県丸亀市の厚仁(こうじん)病院で
週1回、不妊鍼灸を行っています。
近藤さんが特に力を入れているのが、不妊相談、カウンセリングです。
それは近藤さんご夫妻が不妊に悩んだ経験があったからです。
Q)まずその経験について教えていただけますか?
A)私はいま3人の子どもがいます。しかし第1子を授かるまでに大変な苦労をしました。
徳島には、徳島県から委託を受けて無料で不妊相談を行っている施設が1つ、高度な生殖補助医療を行っている施設が3つあります。不妊に悩む私たちはいろいろな病院を回って相談をしましたがなかなか子どもが授からない、そうした中ある病院で、妻に対して手術をするようすすめられました。思い切って手術を受けたらすぐ妊娠することができましたが、2回続けて流産という結果に。しかし3回目の妊娠で無事第一子を授かることができ、今では3人の子宝に恵まれています。
Q)不妊に悩んでいた時、どのようなことを感じましたか?
A)不妊に悩んでおられる方への不妊治療の情報提供の場がまだまだ少ないと感じました。そこで当院では、2年前の開院当初より無料での不妊相談やカウンセリングを始めました。講師の先生を呼んで個別カウンセリング会、妊活に関するセミナーもほとんど無料で定期的に開催しています。
Q)2年間で何件の相談がありましたか?
A)300件ぐらいあったと思います。
Q)そんなにあるんですね!それだけ不妊に悩む方が多いということなんですね。
A)当院に相談にこられる方は、25歳から35歳までの方が多いのですが、51歳の方もいらっしゃいます。
女性がもっとも妊娠しやすい年齢は20歳前後とされており、30台後半になると年ごとに妊娠しにくくなります。そして現在日本では、6組に1組のカップルが不妊治療を受けているといわれています。
妊娠する力のことを「妊よう性」といいますが、現代は食生活や環境の変化、ストレスなどで、この「妊よう性」が弱まっているといわれています。
「アンチ・ミューラリアン・ホルモン」という発育中の卵胞から分泌されるホルモンを調べることで、卵巣年齢を調べることができるのですが、20代でも卵巣年齢が40代という方もいらっしゃいます。そのような場合、若いからまだ大丈夫と油断せずに、早めに不妊治療を受けるようにお伝えしています。
Q)不妊治療は具体的にどのようなことをするのでしょうか?
A)当院では、まず病院での検査結果や治療成績をもとにカウンセリングを行い、今度の治療方針のアドバイスをさせていただきます。そして、鍼灸治療のほか、不妊治療に効果が高いとされる医療器機器を用いたり、生活習慣や栄養面の指導、運動療法など統合医療的アプローチによって、皆様の妊活をサポートさせていただきます。
Q)料金システムはどうなっていますか?
A)治療は有料となりますが、カウンセリングは無料です。
皆さん誤解されていると思うのですが、実は赤ちゃんになる卵は毎月排卵されるわけではありません。2か月とか3か月の1回の割合です。今月もダメだったと悩む方が多いと思いますが、ダメな月もあるので、それは仕方のないことです。むしろそれがストレスになって余計に妊娠を遠ざけてしまうことになりかねません。不妊に悩む方はすごくストレスを受けてらっしゃるケースが多く、カウンセリングを受けるだけで、妊娠する確率は20%向上するという調査結果もあります。
Q)相談したい方はどうすればいいですか?
A)SoraのHPをご覧ください。
Q)不妊に悩む方へのメッセージをお願いします。
A)悩まずに相談を受けることが大切かと思います。妊活や不妊治療に詳しい人に話を聞いてもらうことで、ストレスの軽減や治療の方向性などが見えてくることもあります。
以上です。
当院では妊活にお悩みの方にはLINEでのご相談も受け付けておりますので是非ご活用いただきたいです。
2020.04.05 訪問マッサージはじめました!
当院でも訪問マッサージ・訪問鍼灸をはじめました!
当院の訪問マッサージの特徴としては、通常の訪問マッサージの事業者と違い在籍する理学療法士による定期身体機能評価と運動処方を行っている点です。
マッサージによる痛みや筋緊張等を緩和するだけでなく、リハビリの専門家による運動指導を通してこの先よりよい生活を送ることのできる体づくりをサポートいたします。
訪問マッサージとは??
筋麻痺・関節拘縮、筋委縮(筋力低下)等に対して、関節可動域拡大と筋力増強を促し、症状の改善を目的とするマッサージです。あんまマッサージ指圧師(国家資格)である弊社スタッフが、ご自宅や高齢者施設などにお伺いし、施術をいたします。
歩行が困難な方でも外出の心配をせずにマッサージを受けることができます。
また介護保険を利用している方でサービス限度額が満額の方でも、医療保険が適用になるというメリットもあります。
対象者は??
健康保険でご利用いただける対象は
1)歩行困難等
2)真に安静を必要とする場合等
とされています。
1)の歩行困難な程度は、現在では患者本人が、家族や介護者に頼らず、独力で自ら公共交通機関を利用して、または独歩では医療機関に通院できない状態という判断となっております。
理学療法士が行う訪問リハビリとの違いは??
訪問マッサージでは、身体のマッサージにより筋麻痺・関節拘縮、筋委縮(筋力低下)等に対して、関節可動域制限の改善をメインに施術を行います。
それに対しPT(理学療法士)はリハビリの専門家です。身体の機能訓練だけではなく日常生活動作(食事、更衣、排泄、移動など)の訓練なども行います。
当院の良いところは在籍する理学療法士との連携による運動処方でマッサージ以外のアプローチも行うことができるところです。
利用料は??
訪問の距離にも料金が関係してきますが、高齢者の1割負担の場合ですと自己負担は400~440円程度です。重度障がい者で医療費の免除を受けている方はそれが適応されます。施術時間は1回あたり20~30分程度となります。
利用方法は??
健康保険で訪問マッサージを受けるためには医師の同意書が必要となります。まず、当院に直接ご相談いただくか、在宅の要介護者等で介護保険を利用している場合は担当のケアマネジャーさんに相談するのが一般的です。
医師の同意書の取得は当院の方に書類の様式があります。
介護保険との併用は可能??
訪問マッサージは介護保険とは制度上無関係の関係です。
1.介護保険の限度額外で受けられる。
2.PT等の行う訪問リハビリと併用して行える。
3.PT等の行う通所リハビリと併用して行える。
4.有料老人ホーム・特養・その他の施設(老健・医療機関は不可)の介護保険限度額を消費しないで行えます。
ご利用ご検討の方は是非一度ご相談ください。
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