2025.10.01 【起立性調節障害と鍼灸】YNSAとスーパーライザーを用いた自律神経ケア
起立性調節障害とは?
「朝起きられない」「立ちくらみがひどい」「午前中は体がだるくて動けない」――。
思春期のお子さんに増えているのが、起立性調節障害(OD:Orthostatic Dysregulation) です。
これは自律神経がうまく働かず、血圧や心拍の調整が乱れてしまうことで起こる不調です。特に小学校高学年から中高生に多く見られ、保護者の方にとっても「病気なのか?怠けているのか?」と理解しにくい特徴があります。
起立性調節障害でよくある困りごと
- 朝なかなか起きられず、遅刻や欠席が増える
- 授業中の頭痛・倦怠感・集中力低下
- 体育や部活動でめまい・動悸が出やすい
- 周囲から「甘えている」と誤解される

本人はつらいのに、見た目には分かりにくいことが、より悩みを深くしています。
一般的な治療と対策
医療機関では、以下のような対策が行われます。
- 規則正しい生活リズムを整える
- 水分・塩分を多めにとる
- 軽い運動で体力をつける
- 必要に応じて薬物療法
ただし、薬だけでは十分に改善が見られないケースや、副作用の心配から「自然な方法でケアしたい」と考えるご家庭も増えています。
鍼灸とYNSA(山元式新頭鍼療法)の可能性
当院では、通常の鍼灸に加え、YNSA(山元式新頭鍼療法) を取り入れています。
頭皮の特定の反応点に鍼を行い、脳と自律神経の働きを直接サポートする療法です。
- 自律神経の乱れを整える
- 睡眠の質を改善し、朝の目覚めを助ける
- 倦怠感や頭痛を軽減
- 不安感やストレスをやわらげる
YNSAは「即効性」「安心性」の点からも、起立性調節障害に悩むお子さんへのサポートとして注目されています。
スーパーライザー(近赤外線照射療法)との併用治療
さらに当院では、スーパーライザー(近赤外線照射装置) を併用しています。

スーパーライザーは、自律神経の要となる「星状神経節(首の部分にある神経の集まり)」に近赤外線を照射することで、交感神経・副交感神経のバランスを整える治療法です。
- 脳の血流改善
- 自律神経の安定化
- 頭痛・めまい・不眠の軽減
- 安全で副作用が少ない
鍼灸(特にYNSA)とスーパーライザーを組み合わせることで、「自律神経に働きかける力」を相乗的に高める ことができます。
これは起立性調節障害のように自律神経の乱れが大きな要因となる症状に、非常に有効なアプローチです。実
まとめ:鍼灸・YNSA+スーパーライザーは有効なサポート手段
起立性調節障害は、本人にとってもご家族にとっても負担が大きいものです。
薬物療法だけに頼らず、鍼灸・YNSA・スーパーライザーを組み合わせた自律神経ケア は、安全で副作用が少なく、自然な改善を後押しします。
もし「朝がつらい」「学校に行けなくて困っている」といったお悩みがありましたら、
ぜひ一度当院にご相談ください。
2024.02.16 なぜこんなに疲れる!?慢性疲労の原因と解決法!!
徳島県板野郡北島町 鍼灸治療院
はり灸|整体・トレーニングSoraの中原です。
朝起きたときのダルさが続いたり、休日に一日中寝てしまうなど、疲労が慢性的になってはいませんか?
今回はそんな慢性疲労の原因や解決方法についてご紹介いたします!!
目次
◆慢性疲労とは?
慢性疲労とは、持続的な疲れや疲労感を特徴とする状態です。
通常、休息や睡眠をとっても改善されない、持続的な疲れや疲労感が続く状態を指します。
慢性疲労の症状は、身体的な疲労だけでなく、精神的な疲労や集中力の低下、筋肉痛、頭痛、睡眠障害、免疫機能の低下なども含まれます。
◆なんで慢性疲労になるの?
健康な人の脳内の免疫系(ミクログリアなど)は脳内の異物を除去したり、ダメージを負った細胞を食べてくれる働きをしています。
ストレスなどにより脳内の免疫系が過剰になってしまった場合、正常な細胞にも免疫系が反応してしまい、炎症反応が起こります。
このような炎症反応が脳内で慢性化すると、脳機能の低下に繋がり、倦怠感や集中力の低下、筋肉の痛みなどの身体の異常として現れます。
つまり慢性疲労の原因とは、脳内の炎症による脳機能の低下によるものだと考えられます。
◆慢性疲労を改善・予防しよう!!
慢性疲労の原因である脳の炎症を改善・予防するためのいくつかの方法を解説していきます。
■ストレスケア
脳の免疫系(ミクログリアなど)は通常、脳内の異物除去や貪食といった生命活動に必要な働きをしてくれています。
しかしストレスにより過剰に活性化することで、悪さをしてしまうでの、日頃のストレスケアを大切にしましょう。
ストレス緩和のポイント
・朝一で日光を浴びる
・太ももやふくらはぎを意識したウォーキング
・湯船に浸かる(熱々はNG)
・週に一度は自然に触れる
・寝る時間を一定に保つ(寝る時間をずらさない)
・バランスの取れた食事を心がける(免疫系やホルモン・筋肉も全て食事から摂取した物で合成されるので、食事の偏りによる健康被害はかなり大きいです。)
とても簡単にみえますが、意外とみなさんできていないことが多いので、まずはここからはじめましょう!!
■はり灸治療
はり灸治療はストレスにより高ぶった交感神経を抑制し、リラックス状態である副交感神経を優位にしてくれます。
他にも脳内の炎症に対しても、脳血流を改善することにより炎症を抑制してくれる作用があります。
はり灸治療でなぜこのようなリラックス効果が得られるかは、「頭の鍼でリラックス効果!?」の記事を読んでみて下さい。
■LHジペプチド
脳内の炎症を起こすミクログリアの活性化に対して抑制をしてくれる作用があるのがLHジペプチドと言われています。
ジペプチドとはアミノ酸がふたつ結合したもので、食事などから摂取できます。
LHジペプチドは納豆や酒粕などの特定の発酵食品に多く含まれるので、これらの食品も積極的に摂取していきましょう。
◆まとめ
日常で疲労を感じる方は過半数を超えており、現代人がかなり疲れていることが分かります。最近では子供でも疲労を感じているケースが増え、老若男女とわずとなってきています。
疲労感を放置するのではなく、適切な対処をして生活を元気でハリのあるものにしていきましょう!
小さな症状から大きな疲労感でもはり灸治療は対応できますので、気軽にご相談してください。
2023.12.06 はり灸で癒す! 眼精疲労から解放される方法
徳島県板野郡北島町 鍼灸治療院
はり灸|整体・トレーニングSoraの中原です。
デジタル時代の到来に伴い、私たちの生活は便利で快適になりましたが、同時に新たな健康課題も浮かび上がっています。その一つが「眼精疲労」です。
この記事では、眼精疲労に焦点を当て、鍼灸がどのように目の健康をサポートするかについて掘り下げていきます。
目次
◆眼精疲労の原因
眼精疲労とは目の使いすぎにより、目の痛み、かすみ、充血などの目の症状や肩こり、頭痛といった全身症状が、休息しても回復されない状態の事を指します。
■主な原因
眼精疲労の主な原因としては、目のピント調節をしてくれる筋肉(毛様体筋)の疲労により起こるとされています。
この毛様体筋は普通の筋肉と少し違い、自律神経支配の筋肉(不随意筋)なので自分の意思で動かすことができません。
■毛様体筋を酷使するもの
・ピントの合わないコンタクトやメガネを使用するとピントを無理に合わせようと毛様体筋の負担となります。
・ドライアイによる涙の層(涙液層)が減ると、ものがはっきり見えにくくなりピント調整の負担となります。
・長時間の画面を見る作業は、ピントが固定された状態が続くので負担となります。
・精神的ストレスや過度の疲労は自律神経の乱れを起こすので、自律神経支配の毛様体筋にも負担となります。
◆はり灸が眼精疲労に与える効果
はり灸治療は自律神経の調整・血流の改善の2つの面で眼精疲労を改善してくれます。
■自律神経の調整
はり灸治療は自律神経の中枢である脳(視床下部)に対して血流を良くしてあげることで自律神経の調整をしてくれます。
眼精疲労の原因である毛様体筋は自律神経支配の筋肉なので、自律神経の乱れを改善することにより負担を減らすことが期待できます。
■血流の改善
目の周囲には目をつむる動作や、眼球を動かす為の筋肉がいくつもあります。
これらの筋肉も一点を見続けるデスクワークなどでは動かす機会が少なく、筋緊張を起こしているケースが多くあります。
はり灸治療では血流を促すことで顔面や頭部の筋緊張を緩和し、正常な動きに戻すことで眼精疲労の改善につながります。
◆はり灸の手順とポイント
■後頭下筋群への施術
当院の治療ではまず首の後ろ側にある筋肉達(後頭下筋群)へはりをしていきます。
この筋肉達は眼球運動にも間接的に関わっている筋肉で緊張が強いと眼球運動への影響や頭部への血流阻害の原因となります。
後頭下筋群の詳しい記事は「後頭下筋群の緊張が及ぼす身体への影響と対策」をチェックしてみて下さい。
■頭部への施術
頭部へのはり施術はYNSAという技術で、これは頭部にはりを打つことで自律神経を整えたり、目的の部位(この場合は目)への症状緩和を狙った治療となります。
◆日常生活での眼精疲労対策
■作業環境の見直し
眼精疲労の主な原因は毛様体筋の疲労と上記でもお伝えしましたが、デスクワークなどで動きの少ない方は、定期的に休憩やストレッチを入れるなど同一姿勢が続く環境を見直し整えましょう。
■ドライアイ対策
ドライアイになりやすい人は仕事の時はメガネに変えたり、定期的に目薬をさすなどの対策が必要です。
■蒸しタオルで目元を温める
長時間仕事が続く時や寝る前などに蒸しタオルで目元を温めることで目の周囲の筋緊張を緩和してくれるので眼精疲労対策になります。
■ビタミンBの摂取
神経の働きに影響を及ぼすビタミンB群を意識的に摂取し、栄養不足から起こる神経の疲労を避けましょう。詳しい記事は「体調不良とビタミンB群の関係性!?」をチェックしてみてください。
◆まとめ
眼精疲労は現代社会において多くの人の悩みの一つだと思います。日頃のケアもとても大切ですが、慢性化し症状の強い場合ははり灸などの手を借りることで改善の近道になることもあります。
症状は早めに対処することで、早期の改善が見込めますが、慢性化してしまっている場合でも継続的な治療で緩和して行くケースが多いですので、お気軽にご相談ください。
2023.11.09 胃腸の不調に効果的な「はり灸治療」とは?
徳島県板野郡北島町 鍼灸治療院
はり灸|整体・トレーニングSoraの中原です。
胃腸の不調は多くの人にとって一般的な問題であり、日常生活に不便さや不快感をもたらすことがあります。この記事では、はり灸治療が消化器健康のサポートにどのように役立つかについて詳しく説明します。
目次
◆はり灸と胃腸の関係性!?
はり灸と胃腸の関係性は東洋医学的な観点と西洋医学的な観点とで少し違いがありますが、どちらの視点から見てもはり灸による胃腸への影響は起こるとされています。
■東洋医学
東洋医学では身体を巡るラインが12本あり、それを12経絡と呼び、その12本のライン上にツボと呼ばれる点が無数にあると考えられています。この経絡の中には胃経や小腸経、大腸経といった胃腸に関する(厳密には臓器の胃や小腸大腸とは違う)ラインもあり、症状に応じた経絡、ツボが治療に使われてきました。
■西洋医学
胃腸の働きは迷走神経という副交感神経性の神経により支配されており、自律神経の乱れやストレスによる影響で機能が低下すると胃腸の動きが悪くなり不調が起こるとされています。はり灸は副交感神経の働きを活性させる事で、胃腸への影響を与えるとされています。
◆どんな胃腸症状が適応なの?
はり灸治療では胃腸の働きが低下する事により起こるとされている疾患や、痛みに関しては適応される事が多いです。
■適応される疾患
・胃腸の蠕動運動の低下により起こる消化不良や便秘、下痢
・ストレスの影響による過敏性腸症候群など
・胃痛(例外あり
■適応外の疾患
・胃がん、大腸がんなど
・潰瘍性大腸炎やクローン病
・虫垂炎
・その他胃腸に器質的な問題のある場合は病院を受診して下さい
◆はり灸のメカニズム
胃腸の不調に対してどの様なメカニズムではり灸が効果を発揮するのか説明していきます。
■自律神経の調整
身体の四肢に対するはり灸の刺激は侵害受容器(痛み刺激を受け取る場所)から一度脳へ伝わりその後、副交感神経を介して全身へ反応を起こします。
これははり灸刺激により副交感神経が優位になる事を示しており、胃腸の蠕動運動は副交感神経優位で活発になる為にはり灸治療が胃腸の不調に効果的だと言えます。
実際にはり灸治療中にお腹が鳴ったり、空腹感が出たりと言う患者さんも少なくありません。
■痛みの緩和
はり灸はパルスという通電機器を使用する方法があります。これは一定の周波数で鍼に電気を流す事で、脳内で鎮痛物質の分泌を促す目的があります。
この鎮痛物質はβ-エンドルフィンといって気分の高揚や幸福感といった作用もあり、脳内麻薬とも言われています。
■血流の増加
血液は全身へ栄養を運ぶ役割を担っていますが、臓器も例外なく血液の栄養を受けます。そのため臓器の機能を保つためにも血流を良くする事は大切になります。
はり灸は身体に微少な傷を付け、その修復過程に血液が集まってきます。その他にも副交感神経が優位になる事で血管の拡張が起こり、血流状態が良くなる作用もあり、この身体の仕組みを利用して胃腸などの臓器に対しても循環改善し機能を保ってくれます。
◆まとめ
今回は日常生活で緊張やストレスを感じると胃腸の不調が起きるメカニズムなどにフォーカスしてきましたが、もちろん胃腸は食事の通り道であり、栄養を吸収する場でもあるので食事による胃腸の不調も大いにあります。
当院では日頃の食事面でのアドバイスや、ストレスを軽減させる生活の提案も致しておりますので気軽にご相談下さい。
2023.10.21 頭の鍼でリラックス効果!?
徳島県板野郡北島町 鍼灸治療院
はり灸|整体・トレーニングSoraの中原です。
日々の仕事や勉強で疲れが溜まり、リラックスしたいと思う気持ちは皆さん経験があると思います。
リラックスのイメージからするとマッサージなどが思いつきやすいですが、「はり灸」もかなりのリラックス効果を発揮してくれます。
今回はそんな「はり灸」の中でもリラックス効果高い「頭の鍼」について詳しく説明させて頂きます!!
目次
◆リラックスってどんな状態?
リラックスとは落ち着いて緊張の無い状態っていうイメージは皆さんあると思いますが、実際に身体がどの様な状態になっているかまではあまり想像しないと思います。
リラックスとは身体を自動でコントロールしている自律神経の内、交感神経が抑制され、副交感神経が高まっている状態の事を指します。
つまりは「はり灸」などにより副交感神経を高めてあげる事でリラックス状態へ導く事ができます。
◆頭の鍼って怖く無いの?
頭に鍼をすると聞くと怖いイメージがありますが、頭部への鍼はとても浅く安全な方法でさせて頂いており、痛みなどに関しても緊張が強くならないように配慮し、安心して施術を受けて頂けます。
◆なんで頭の鍼なの?
1. 自律神経の調整
自律神経の中枢である視床下部は頭部にあるので、栄養である血液が不足すると自律神経の乱れに繋がります。
頭への鍼は脳血流を促進する事で、自律神経の乱れを調整し、副交感神経が優位な状態へ入りやすくしてくれます。
2. 脳内でモルヒネ様物質を分泌
当院では頭部の鍼に通電する施術を行っております。頭に微弱電流を流す意味としては、一定の周波数で電気を流す事で、モルヒネ様物質であるβ-エンドルフィンという物質が脳内で分泌します。
この物質は鎮痛効果や気分の高揚、幸福感を得られる為に脳内麻薬とも呼ばれています。もちろん薬物では無いので副作用などはありませんし、身体の機能の一部を利用していると考えて頂けると分かりやすいと思います。
◆実際の患者さんの声は?
リラックスすると言われても、やはり頭に鍼をする事に抵抗のある方は多いと思います。
ですが実際に受けられる患者さん達は、鍼の施術中に眠られる方や、電気の刺激がマッサージみたいで気持ちいいとおっしゃる方が多い印象です。
中には怖がられる方もいますが、鍼を打ってみると「意外と大丈夫!」と言う方がほとんどなので極度に不安視する必要は無いと感じでおります。
◆まとめ
今回は「はり灸」のリラックス効果について説明しましたが、これは自律神経を整えたり、血流状態を改善したりといった「はり灸」の基本的な治療の副産物として考えて下さい。
「はり灸」と聞くとハードルが高いイメージをお持ちの方が多い印象があるので、身体のメンテナンスや日々の疲労のリフレッシュの場と考えて気軽に来て頂ければと思い「リラックス効果」についての記事を書きました。
皆様の癒やしの場となれば幸いです。
最新の投稿
- 2025.10.01【起立性調節障害と鍼灸】YNSAとスーパーライザーを用いた自律神経ケア
- 2025.08.17ピラティスとは?
- 2025.08.08自己流ダイエットはもう手遅れ?
- 2025.07.01【メディア掲載のお知らせ】あわわWEB特集に当院が掲載されました!
- 2025.06.08【妊娠を目指す方へ】卵子の質を整える鍼灸と温熱ケア 〜身体の内側から妊娠力を育む〜
カテゴリー
- お知らせ (162)
- 鍼灸治療 (69)
- 不妊治療 (64)
- 不妊鍼灸 (54)
- 妊活 (46)
- 自律神経の不調 (35)
- YNSA (30)
- 患者様の声 (21)
- 食育、栄養 (14)
- セミパーソナルトレーニング (13)
- AGE(最終糖化産物)について (12)
- 美容 (11)
- ニュースレター (10)
- ヨガ (10)
- 理学療法士のリハビリテーション (10)
- 美容鍼・エステ (10)
- 更年期障害の鍼灸治療 (9)
- ダイエット (9)
- マッサージ (6)
- パーソナルトレーニング (4)
- 遠絡療法 (3)
- 男性不妊 (1)
月別アーカイブ