2019.03.27 妊娠・出産と子宮内フローラ検査について
生殖器内は外気に触れる皮膚と同じように、様々な最近が共存したフローラ(細菌の集合体)を作っています。膣内に存在する善玉菌(ラクトバチルス菌)は、ウイルス感染や他の菌が増殖できない環境を作ることで、胎児を感染症から守る役割をしていることが知られています。
一方、子宮内はこれまで無菌と考えられていました。2015年に米国ラトガース大学の研究者らが子宮内にも善玉菌が存在することを見つけ、2016年は米国スタンフォード大学のサイモン博士らが、子宮内フローラが乱れていると体外受精の結果が悪くなることを発見しました。子宮内フローラが乱れ雑菌が増えると、子宮内膜で免疫が活性化し、受精胚を異物として攻撃してしまう可能性が指摘されています。
子宮内フローラ検査について
これまでの菌の検査では、分泌物を採取して顕微鏡で調べたり、特殊な培地で菌を増やす方法で行われていましたが、染色できない菌や培養が難しい菌を検出することは困難でした。近年の技術進歩により分泌物に含まれるすべての菌のDNA配列を短時間で調べることが可能となりました。この検査は、子宮体癌検査用の細胞採取器具を用いて子宮内膜液を採取するため安全です。
子宮内フローラ検査により、
1.不妊症の原因がわかるかもしれません
2.胚移植を実施するための判断材料が増えます
3.流産を防ぐことができる可能性があえいます。
子宮内フローラと妊娠成績
子宮内フローラ正常群
妊娠率70.6%
妊娠継続率58.8%
生児獲得率58.8%
子宮内フローラ異常群
妊娠率33.3%
妊娠継続率13.3%
生児獲得率6.7%
以上のことから善玉菌が少ないとわかったら、抗菌物質・ラクトフェリンの摂取、食事や生活習慣が菌環境に影響を与えることが知られています。
まだ、子宮内フローラ検査は不妊治療を行っている医療機関でも実施できるとことがまだ少ないのが現状です。
当院では、統合医療生殖学会を経由して神戸の三宮「英ウイメンズクリニック」などの医療施設をご紹介しています。
2019.03.05 「邵氏温灸器(しょうしおんきゅうき)」で温活しましょう
「邵氏温灸器(しょうしおんきゅうき)」は、ご家庭で気軽に出来るお灸です。一人ででき、イヤな匂いがなく、熱くなく、跡がつきません。腰、肩、耳、へそなど体の各部分に手軽に温灸ができます。
温灸とは
低刺激で間接的に患部にすえる灸のことで刺激は少ないですがより深部まで熱を届かせてじっくり温める療法です。温灸はその人の症状により温めるツボが異なるのでありとあらゆる不調に効果的と言われています。
当院では、不妊治療中の方に温灸器を使用することが多いですが、下記のような症状でお困りの方にもおすすめです!!
~このような症状の方におすすめします~
◆冷え性の方
◆ 不眠症の方
◆カラダがだるい・倦怠感のある方
◆自律神経が乱れている方
◆うつ症状がある方
◆生理痛がつらい方
◆ 肩こり腰痛関節痛がある方
1セット 税込 10,044円
厚生労働省認定医療機器 医療器具承認番号 21400BZY00398000
2019.02.28 女性のカフェイン、アルコール、タバコが妊娠に与える影響について
去年の5月に 米国生殖医学会(ASRM) にて
『女性のカフェイン、アルコール、タバコが体外受精の妊娠成績に与える影響について』
Fertil Steril 2018; 110: 587(米国)doi:10.1016/j.fertnstert.2018.05.026
最新の見解が発表されました。発表された内容を要約致します。
『女性のカフェイン、アルコール、タバコが体外受精の妊娠成績に与える影響について』
カフェインが体外受精に与える影響について調査した疫学(統計)研究5論文のうち1論文だけが、体外受精の出産率低下を示しました。
また、アルコールが体外受精に与える影響について調査した疫学(統計)研究6論文のうち3論文は、現在のアルコール摂取が受精率、胚の質、着床率に悪影響であるとしていますが、1年以上前のアルコール摂取の影響はありませんでした。
一方、多数の疫学(統計)研究から、現在の喫煙が体外受精の妊娠成績を低下させることが明らかにされています。
かつての喫煙者は現在の喫煙者より良好な体外受精の妊娠成績を示しますが、禁煙と妊娠成績の関連は明らかにされていません。
妊娠を目指している方のアルコールとカフェイン摂取には制限を設けるべきであると、米国生殖医学会(ASRM)では以下の指針を提示しています。
結論
1 妊娠前のアルコール摂取1日1単位(20g)まで、妊娠中のアルコールはゼロ
2 妊娠前も妊娠中も中等量のカフェイン摂取1日100~200mgまで
3 喫煙は妊娠前も妊娠中も絶対にダメ!
これまでの常識とは逆になりますが、このように意見が食い違うのは今までアルコールとカフェインの論文が少なく今回のような大掛かりな調査が今まで無かった事が最大の理由です。
結論として、タバコに関しては間違いなくマイナスになりますので、禁煙はもちろんですが、アルコール摂取量の減少に心がけ、カフェインはほどほどに、といった生活習慣が望まれます。
ちなみに
アルコール1単位(20g)とは
・ビール換算で500ml(ロング缶)
・ワイン換算でワイングラス2杯弱
カフェイン摂取1日100~200mg とは
・インスタントコーヒー カップ2杯~3杯
・玉露 1杯
・紅茶 5杯~6杯
・缶コーヒーブラック 1缶(ショート缶)
です。
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